人気ロックバンド「マキシマム ザ ホルモン」は、音楽以外の「戦略」も注目を集めている。企画に込めた思いを仕掛け人に聞いた。
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ラウドロックと言われるジャンルのロックバンドが、ここまで表舞台で脚光を浴びるのは珍しい。1998年に結成された「マキシマム ザ ホルモン」は、CD累計セールスが200万枚以上。ロックフェスなどライブは常に超満員で、日本で最もライブチケットが取れないロックバンドの一つとも称される。
セールス面の成功に限らず、ホルモンがファンを惹きつけてやまないのは、バンドの企画力だ。昨年11月に発売された『これからの麺カタコッテリの話をしよう』は、5年半ぶりの新曲を含むCD発売だったにもかかわらず、新作コミックと一緒にして書籍として販売。17万部の大ヒットとなった。
昨年9月からホルモンは、メンバーのダイスケはん(41)の頸椎椎間板ヘルニア悪化に伴いライブ活動休止を余儀なくされているが、2月下旬には「フランチャイズ制」を導入すると公表。オーディションで選ばれたメンバーに、ホルモンの原曲を好きにアレンジして活動できる「2号店」の資格を与えるという異色の取り組みだ。
また現在、日清食品の新商品“カップヌードル コッテリーナイス”のCMを担当。メンバーのマキシマムザ亮君(40)は“アウトサイダー広告代理人”として、同社の名刺まで作って広報活動をしているという。
武骨なロックミュージシャンが、音楽以外の「戦略」で世間を騒がせるのはなぜか。企画の“仕掛け人”である亮君に話を聞いた。
「自分たちを売る方法は自分が一番知ってるっていう自信が昔からあった。グッズやCDのデザインからキャッチコピー、どこに広告を打つかも自分で考えてきた。メジャーデビューすると、レコード会社の大人に操られてしまうという懸念をもつバンドが多かったけど『俺が大人を操ってやる』くらいの気持ちでやってきました。その都度、結果も出せたので、ありがたいことに普通じゃやらせてくれないようなことも色々と舵をとらせてもらえるようになりました」