イラスト:土井ラブ平
イラスト:土井ラブ平
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 海外の情勢や世相を知るには、圧倒的に発信量が多い英語が有利だ。だが、最新の情報を得るには、最新の言葉を知らねばならない。そこで最近メディアをにぎわす22の言葉をピックアップした。

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snowflake generation【傷つきやすい世代】
性差別、人種差別をはじめ、社会のさまざまな問題点をSNSで批判するミレニアル世代は過敏で傷つきやすくも見える。そうしたミレニアル世代を右派が侮蔑的に呼ぶ言葉。語源は子ども時代に「かけがえのない美しいスノーフレーク(雪片)」として大事に育てられた世代だからと言われる

sportswash【スポーツウォッシュ】
人権侵害のひどい国がプロサッカーチームの買収などを通して自国のイメージアップをはかる戦略を国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが非難した造語。名指しされているのはUAE(アラブ首長国連邦)やロシアなど

techlash【IT企業への反発/テックラッシュ】
tech+backlash(反動・反発)。生活の隅々にまで影響力を持つようになった巨大IT企業に対する反発のこと。日本のビジネスパーソンが大好きなGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)は個人情報の不正利用や市場寡占、過激な節税戦略などが批判されている

tender-age shelter【か弱い者のシェルター】
2018年6月、トランプ政権が移民政策の厳罰化の象徴として13歳以下の子どもを親から引き離して施設に収容し始めると、与野党一致で強い嫌悪感が表明された。まるで「か弱い者を保護する場」であるかのようにバラ色に脚色したこの言葉も批判の的に。tender-ageとは経験の浅い若輩者といった意味

toxic【有毒な】
オックスフォード英語辞典が選ぶ「2018年の言葉」。toxic gasなど化学の言葉を超えて、雰囲気の悪い職場や政治、人間関係を表す形容詞として使われるようになった。#MeToo運動で広まったtoxic masculinityとは暴力や他者攻撃でしか男性性を表現できないネガティブなマッチョイズムのこと

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