トッドさんはこの戦争が5年は続くと言う。私の推測だが、ロシアのプーチン大統領は、(第2次世界大戦の)独ソ戦でドイツの侵略を受けたときもウクライナで大戦車戦が展開され、4年かかってドイツを追い出したのだから、少なくとも4年くらいは続くだろうと考えているのではないか。私たちも残念ながら、あと3年くらいは覚悟しなければならないのかもしれない。
結果的に勝者がいない戦争がいま展開されていることを、これも残念ながら私たちは認識しなければいけないと思う。
最後に希望はあるかと問うとトッドさんは「ジョーカーだ」と少し笑って答えた。希望は持ちたい。箱からあらゆる災厄が世界に飛び出していっても、最後に一つ「希望」だけは残ったという有名な話もあるではないか。何とか私たちの手で希望を見つけていかなければならない。改めてそう考えた。
(構成/編集部・小長光哲郎)
※AERA 2023年2月27日号より抜粋