「子ども1人の世帯なら返済負担率25%でいいですが、子ども2人なら20%程度に抑えないと結構きつくなります」(同)

 左上の表は1千万円の借り入れ金額に対する返済額を一覧にしたものだ。たとえば利率1%の金利水準で返済期間35年の場合、1千万円あたりの返済額は2万8230円。4千万円のローンなら月々約11万3千円になる。金利2%になると約13万3千円、3%になると約15万4千円に。返済負担率が高い人は固定金利で組まないと、金利が上昇した時に対応が難しくなる。

「中古マンションは購入価格が安いため、子ども2人世帯でも返済負担率が15%程度のケースもある。この場合は変動金利を選んで、住宅ローン減税も考慮しながら繰り上げ返済することを勧めます」(同)

 変動金利が有利な理由の一つが、住宅ローン減税の存在だ。2021年末までに居住開始する期間10年以上の住宅ローンの年末残高に対し10年間、1%分の税金を税額控除してくれる。中古も、鉄筋などの耐火建築物は築25 年以内、木造は築20年以内などの追加条件があるが、基準を満たせば適用される。

「消費税のかからない個人間売買で中古住宅を購入する場合でも、最大でローン残高2千万円までは減税対象になります。この制度を上手に使いたい」(同)

(経済ジャーナリスト・安住拓哉)

AERA 2018年10月22日号より抜粋

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安住拓哉

安住拓哉

出版社勤務を経て2021年に独立。経済関連記事全般が得意。取材・執筆歴20年以上。雑誌の取材記事の他、単行本のライティングも数多く手掛ける。

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