モデルで俳優の水原希子さんが、週刊誌AERA(5月7日発売)で、単独インタビューに応じた。「男と女、その先へ」をテーマにした創刊30周年記念号の巻頭企画で、水原さんは、自身の生い立ちやモデルとしての矜持から、#MeToo運動に象徴されるセクハラ問題、心ないバッシングについてまで、27歳のいまの、まっすぐな思いを吐露している。
インタビューの日、「お久しぶりです。よろしくお願いします!」と、はにかんだ笑顔で現われた水原さん。輝くような肌は、ほぼノーメークだ。ピンクのボーダーニットと、黒のパンツは、テラスでの撮影と聞いて自分でコーディネートしたという。
聞き手は、同誌連載「現代の肖像」(2016年6月13日号)で水原さんの取材を担当したジャーナリストの速水由紀子さんが再び担当した。終始リラックスした雰囲気の中で、水原さんはまっすぐに言葉を紡いだ。
率直な思いを投稿するSNSでは、心無いバッシングにさらされることもある。発信することで嫌な思いもする。いい声も、批判のコメントもできる限り読んできたと話す水原さん。インタビューで「もっと話したい!」と、最も話が弾んだのが「自分らしさ」についてだった。今の日本は、「男は男らしく」「女は女らしく」生きることを知らず知らずに押し付けられていると感じるという。水原さん自身、「好きな人に嫌われるのが怖くて、いい子を演じていた」ことがあるという。男であること、女であることの前に、「自分がどういう人でありたいか、どういうものを楽しみたいかということの方が大事」だと感じるようになったと話した。
<モデルはものじゃない。女性は性の道具ではない>
ある女性のモデルが訴えたセクハラ被害について、水原さんが発したSNSの応援メッセージは、多くの人の心を動かした。「誰かが勇気を出して行動を起こした事実が流されて終わってはいけないと思った」と話す水原さんの強いまなざしが印象的だった。だが、その強さは一朝一夕に培われたものではない。インタビューでは、「小さなころから目立たないようにしてきた」という意外な過去も振り返っている。(編集部・大川恵実)
※AERA 2018年5月14日号