宮野:自分が役に打ちこんでいる姿を、後輩の声優さんがそんなふうに見てくれているのは嬉しいですね。いくら追求してやっていても、自分のことだからよくわからなくなるときもあります。でも、今みたいに言ってくださると「マイクの前で自分は少尉になれていたのかな」と確認できる。しっかりと思いを共有できる人たちとお芝居ができるのは楽しいです。
●紅緒との共通点は
宮野:早見さんは、紅緒ほど猪突猛進でもないし暴れないけど(笑)、どこか紅緒とつながるものを感じるんですよね。思いの強さだったり、紅緒はムチャクチャやることもあるんですが、育ちがいいから品がある。早見さんの声も、元気だけれど品があって、バランスが絶妙です。酔っぱらいのシーンなんて、普通にやったら下品になりかねないのに可愛げがあるんですよ。
早見:誰もが知っている作品の主役をやるということで、原作を何度も読み返しましたし、アフレコの前日はすごく緊張しました。でも実際に収録が始まったら、自然と不安はなくなりました。
宮野:タイトルロールをやるプレッシャーはあったと思うけれど、今回の現場も「今の自分たちがやれるものが大事なんだ」という雰囲気があったから、すごくよかったと思います。
(構成/ライター・矢内裕子)
※AERA 2017年11月27日号