USドル、ユーロ、英ポンド、人民元、韓国ウォン、香港ドルなどの外貨と共に、ビットコインも扱う両替店舗も現れた(東京・築地で)(撮影/伊ケ崎忍)
USドル、ユーロ、英ポンド、人民元、韓国ウォン、香港ドルなどの外貨と共に、ビットコインも扱う両替店舗も現れた(東京・築地で)(撮影/伊ケ崎忍)
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ビットコインの価格は今年に入って5倍に(AERA 2017年10月9日号より)
ビットコインの価格は今年に入って5倍に(AERA 2017年10月9日号より)
コインチェック 取締役COO 大塚雄介さん(おおつか・ようすけ、37)/1980年生まれ。早稲田大学大学院で物理学修士号取得。2012年に前身の会社を設立。14年から仮想通貨取引所サービスを開始(写真:コインチェック提供)
コインチェック 取締役COO 大塚雄介さん(おおつか・ようすけ、37)/1980年生まれ。早稲田大学大学院で物理学修士号取得。2012年に前身の会社を設立。14年から仮想通貨取引所サービスを開始(写真:コインチェック提供)
リミックスポイント 代表取締役社長 小田玄紀さん(おだ・げんき、37)/おだ・げんき/1980年生まれ。東京大学法学部卒。2012年、リミックスポイント入社。同年取締役。16年から現職。16年から仮想通貨取引所サービスを開始(写真:リミックスポイント提供)
リミックスポイント 代表取締役社長 小田玄紀さん(おだ・げんき、37)/おだ・げんき/1980年生まれ。東京大学法学部卒。2012年、リミックスポイント入社。同年取締役。16年から現職。16年から仮想通貨取引所サービスを開始(写真:リミックスポイント提供)

 今春からビットコインなどの仮想通貨が急騰。ビットコインは1年で一時9倍にまで値上がりした。仮想通貨取引の多くを占めるのが投機だ。

【図】ビットコインの価格は今年に入って5倍に

「ビットコインに数百万円投資をして運用しています。9月はあまりうまくいかなかったのですが、ここ数カ月は、毎月30%ほどのリターンがありました」

 5月から本格的にビットコイン投資を始めたという都内在住の会社員男性(30)はそう話す。

 男性は株取引やFX(外国為替証拠金取引)の経験もある。ビットコイン投資では、価格チャートの推移を読んで利益が出るタイミングを知らせてくれる自作プログラムを使い、売るタイミングや買うタイミングを見極めて1日2回ほど売買している。値動きが比較的遅い株と比べて、仮想通貨は乱高下が激しい。

「仮想通貨は株やFXと比べて値動きが大きいので、ドキドキ感があるんです。僕はゲーム感覚でやっています。自分が作ったプログラムに従って売買をして、いい成果が出ると自分の理論が合っていたと嬉しくなる。実際にお金を賭けているので刺激的でもあります」(男性)

 ただ、今の方法に落ち着くまでには試行錯誤を繰り返してきた。初めて仮想通貨投資を始めたのは今年1月。仮想通貨のひとつ、「リップル」の価格が半年で20倍以上に高騰した様子を見て、「第二のリップルを探そう」と考えた。国内外の複数の仮想通貨取引所で口座を作り、複数の珍しい仮想通貨を購入した。

●運用はプログラム任せ

 相場のチャートを見ながら、安いときに購入し、高くなってから売る。ところが、

「価格が上がり始めて購入し、このまま行くかと見ていたら、だいたい下がって損をすることが多かった」(同)

 最初の4カ月ほどは、価格チャートを分析したり、取引の勉強をしたりしながら、複数の仮想通貨の売買をした。週末はプログラムを作った。

「仮想通貨取引は24時間できますが、深夜から朝にかけて価格が大きく変動する日も多いです。それをずっと見ているとなると、生活がおかしくなる。またチャートを見ながら自分で判断をして売買をすると、すごく上がっている時についつい買ってしまい、結果的に損をする。それに気づいてからは、運用は自作のプログラムに任せることにしました」(同)

 プログラムに運用を任せてからは、リターンも安定してきた。だが、

「仮想通貨投資は、資産形成のためとは考えていません。失っても問題がないお金を使って、投機的な利益を得られればとやっています。今は過剰な期待に後押しされて価格が上昇し続けていますが、ある日突然価値が半減してしまう危険性もあるからです」

 と男性は話す。

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