前出の川野さんは、
「国民と一緒に考えるような場に持っていくことが重要だ」
として、安倍政権の判断に委ねるのではなく、国会での議論の必要性を訴えた。
箕牧さんも言う。
「被爆者の平均年齢は81.4歳だが、生きているうちに核兵器のない世界を見たいというのが我々の本音。体にむち打って、頑張らないといけない」
被爆者だからこそ、その訴えが世界を動かしてきた。条約の前文に「核兵器使用の犠牲者(ヒバクシャ)と核兵器実験の被害者にもたらされた苦痛と被害を心に留める」と記されたことが、それを証明している。
(編集部・山本大輔)
※AERA 2017年10月2日号