「コンビニ百里の道をゆく」は、47歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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6月に、あのベルギー王室御用達、GODIVAさんとの共同開発で、「Uchi Cafe SWEETS×GODIVA ショコラロールケーキ」という商品を発売しました。この商品、発売初日から大きな売り上げを記録し、店舗での発注制限を検討せざるを得なくなるほどの爆発的ヒット。GODIVAさんのオーナーが三菱商事と懇意だったことから実現にこぎつけました。
7月には、第2弾として、「Uchi Cafe SWEETS×GODIVA ショコラプリン」も期間限定で発売しています。
名門のGODIVAさんが全国約1万2千店舗で、しかもローソンのプライベートブランドである「Uchi Cafe SWEETS」とのWネームで商品を販売するなどということは、三菱商事の協力なしには不可能だったでしょう。
今年2月、ローソンは三菱商事の子会社になりました。それ以前も三菱商事はローソン株式の33.4%を保有していましたが、株式公開買い付けを行い、新たに約1500億円を投じて50.1%まで取得したのです。
ローソンが三菱商事に牛耳られるのではないか、という声がありますが、それは当たっていません。
子会社化が意味するのは、「ローソンにとっていいこと」と「三菱商事にとっていいこと」がイコールになることです。ローソンの企業価値が上がれば三菱商事のそれも上がる。ローソンの競争力が上がれば、三菱商事のそれも上がる。非常にシンプルです。
結果、三菱商事は経営資源をより積極的にローソンに注ぐことになる。取引だとか手数料だとかではなく、ただ一点「FOR THE ローソン」という観点で、ビジネスを進めることができるのです。
今回の、GODIVAさんとの共同開発で、三菱商事に「紹介料」が入ったわけではありません。「FOR THE ローソン」で一致しているからこそ、本気でバックアップしてくれたのです。三菱商事には今後も、大いにサポートしてもらうつもりです。
※AERA 2017年7月24日号