借金をしていた頃には二度と戻りたくないけれど、学んだことは多くあります。私の失敗は、「トップモデルの自分」にとらわれていたこと。ジャズを歌いたいなら、音楽にこそお金をかけるべきだったのに、本質を見失っていたんですね。
自分の色が何色か、誰もすぐにはわからないでしょう。たくさん失敗して、でもなるべくまわりに迷惑はかけないように(笑)、じっくり探していけばいい。「十人十色」と言いますが、「一人十色」という言葉が好きです。いまも歌いたいですし、いつか雨上がりの虹色の自分を咲かせたいと思っています。
(構成/編集部・熊澤志保)
※AERA 2017年4月3日号