資金的には唯一、金利部分だけ花巻市の補助金が付いているようですが、他はすべて自らで調達。とんでもない補助金を突っ込んで、にっちもさっちもいかなくなってしまったお隣の県の商業施設「アウガ」とは真逆のモデルです。
彼らが画期的だったのはクラウドファンディングを使い約2千万円を集めていること。私がいつも言っているように、無責任な大人たちではなく、実際に自腹を切っても存続を願っている「本当の」市民と手を組むことでプロジェクトはリアルになるのです。こういう人たちは自分たちでお金を出していますから、リニューアル後もこの食堂の発展のためにアイデアを出したり、顧客として期待もできる。
この手法は、閉鎖の報を聞いた地元の女子高校生たちがなんと1万人の署名を集めてきた時にひらめいたというのですから、まさに若い世代がコアになった補助金に頼らない理想的な地方再生モデル。地元の価値は住んでいる人たちが上げるのだという当たり前のことを実行したと言っていいでしょう。
日本のみなさん、もう寝ている場合ではありません。起きてください!
※AERA 2017年3月6日号