アエラにて好評連載中の「ニッポンの課長」。
現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。
あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。
今回はチッタエンタテイメントの「ニッポンの課長」を紹介する。
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■チッタエンタテイメント
総務部 総務人事課 課長 家田尚子(41)
不動産部 企画デザイン課 課長 満田泰子(40)
財務経理部 財務課 課長 菊池奈美(41)
シネコンやライブホールなどもある商業施設「ラ チッタデッラ」(川崎市川崎区)。集った「人」に「夢」を語ってほしいと、イタリアの丘をイメージして造られた街には、石畳の「道」が広がる。支えるのは、運営するチッタエンタテイメントに今年、誕生した3人の女性課長だ。
「人」をつなぐのは家田尚子(41、写真中央)。大手企業やベンチャーの人事担当としてキャリアを積み、2011年に入社した。
「会社は人でできています。今夏には、グループ会社全員でのスペイン・ドイツ研修を企画し、社員の結束力アップを図りました」
プライベートでは人の力に助けられている。時にはママ友らに夕食の世話になりながら、2人の娘の育児と仕事を両立させる。
各施設のデザインの監修を担当する満田泰子(40、右)は、ヘルメットをかぶって現場に入り、細部の装飾まで自分の目で確かめる。「夢」の形を作り上げる役割だ。
「私たちの年代は守りに入りがち。“美しく心地よい空間”という絶対的に守らねばならない点もありますが、新しいものも否定せず、チャレンジしていくよう心がけています」
映画好きの菊池奈美(41、左)は、財務面から地「道」に社を支えている。
「振り返れば、映画業界にとって厳しい時期もありましたが、シネコンが定着したここ数年は盛り返しています」
20年ほどになる社歴を元に、後進の女性社員の「道」を切り開くことも意識し始めた。
3人に共通しているのは、仕事を楽しんでいること。「年齢を重ねて、ますます元気が出てくる」(家田)。3人のさわやかな笑顔は、南欧らしい明るい街並みにぴったりだ。
(文中敬称略)
※本稿登場課長の所属や年齢は掲載時のものです
(ライター・安楽由紀子)
※AERA 2015年12月14日号