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 阪神巨人。早稲田と慶應。WindowsとMac。対照的なライバル関係はそれぞれの魅力を引き立たせ、ファンを熱くする。それはこのふたつの少女マンガ誌についても同様だ。

 両方読んでいるのに「私、◯◯派!」と言わずにいられない。ムキになって擁護することで、余計に愛が深まっていく。子ども時代は特にその傾向が強かったことは、誰しも胸に覚えがあるのではないだろうか。少女マンガ雑誌「りぼん」と「なかよし」の話だ。

「アイビー漫画というのがあって、ファッションが魅力的。陸奥A子さんの大ファンでした」という会社員の女性(52)は、「りぼん」派。「りぼん」は絵がおしゃれで、「なかよし」は叙事詩的だと感じていた。

 販売員の女性(36)は、幼稚園生(早熟!)でたかなししずえさんの表紙絵に魅了されて以来の「なかよし」派だ。

「ほんわかした絵が好きだったんです。『なな色マジック』のあさぎり夕さんも大好きでした。私にとって『りぼん』はキラキラ系。『なかよし』は絵の色遣いが淡くて雰囲気がありました」

 著名人にも両派がいる。シノラー時代も含め、常にファッショナブルな篠原ともえさんは、創作のベースに「りぼん」があるという。

「『ときめきトゥナイト』の江藤鈴世くんに本気でときめいていた私にとって、いつまでも憧れを持ち続けることのできる夢の原点でした」

 情報ページの紹介を見て、自分でスクリーントーンを買いに行き、絵を描いていたという。

 一方、「なかよし」で「中川翔子物語」が連載されたこともある中川翔子さんにとって、「なかよし」は「いつも未来が詰まっている」場所だった。

「等身大で、恋が身近なのが『りぼん』。『なかよし』はファンタジーが多く、すごく斬新な描き方をしていて、そこが魅力でした。『美少女戦士セーラームーン』に衝撃を受け、『魔法騎士レイアース』も好きだったな」

 中川さんのイメージでは、「なかよし」派はピンクが好きでスカート派。「りぼん」派はもっとカジュアルで、「絶えず彼氏がいるイメージ」。

「でもどちらも女の子に生まれた喜びを教えてくれるものだったと思います、私にとって」

AERA 2015年9月7日号より抜粋