巨額の建設費が大問題になった新国立競技場だが、きな臭い五輪施設計画は他にもある。ボートの「海の森水上競技場」だ。
「ボート会場予定地がゴミの埋め立て地との認識は持っていました。ただそこまで(建造物が)腐食に弱いとは……」
そう話すのは、東京都オリンピック・パラリンピック準備局の花井徹夫施設輸送担当部長。言っているのは、都が東京湾岸に計画する2020年東京五輪のボート・カヌー競技会場「海の森水上競技場」のことだ。
当初、施設整備費を「69億円」と発表。ところが、諸経費を含めると「1千億円超」というとんでもない金額が出てきたのだ。花井部長は主な高騰要因を「観客席下などの地盤が弱く、腐食も引き起こすため」と説明する。ただ、そんなことは百も承知で選んだ場所なのではないのか。
結局、膨れ上がった整備費を問題視した舛添要一知事が昨年11月に見直しを表明。主要施設を「ゴミ地盤」ではない反対側に移すことなどで、491億円に圧縮した。それでも当初公表した整備費の約7倍だ。ある建設業関係者はあきれる。