Dさん 意識が高い人がいい。共働きが理想なので。

Bさん 社会常識のある自立した女性が理想です。僕は一人暮らしが長いので、だいたいのことが自分でできる。それなのに、電気やガスの契約の仕方も分かっていないなんていう女の子がいて、そういう子は嫌ですね。最初は可愛いなと思っても、仕事が忙しい時に聞かれると、勝手にやってくれと思ってしまう。

Aさん 社会常識が身についている子は、友達に会わせても、どこに連れていっても恥ずかしくない。そういう賢い子が好きです。あとは穏やかな人。普段、仕事で疲れているのでケンカは嫌です。あと、いつも笑顔な人がいいですね。仕事が忙しくても笑顔でこなす心身ともに健康な人。自分もそうであるよう気をつけていることなので。

水無田さん Aさんはずいぶん人間のスペックが高い人がいいんですね。人間的な頭の良さは数値化できない能力で、お見合いの釣り書きに書かれないことだから、すぐには分からないですよね。

Aさん だから、なかなか独身を抜け出せない!!

●乙女な部分は残して

Dさん 僕はできれば、原石級の女性に出会いたいんです。女子磨きってありますよね。あれって適度なところでやめないと結婚の弊害になる気がする。男子から見ると、必要経費が高そうで近づけない。僕は料理が趣味で、時々ケーキを焼いたりするのですが、だからといって相手が料理を作れなくてもいいんです。でも、ただ一つ水回りは気になる。やっぱり、あのクリーンじゃない部分がいつもきれいな人だといいじゃないですか。

水無田さん それって、お姑さんに言われるよりきついかもしれません。

Cさん 確かに、僕も前の彼女が前日の晩ご飯のお皿を洗わずに置いてあったのを見て引きましたね。

Dさん シンクの汚れは気になりますよね。僕にはできない家事があって、それはほつれたボタンを付け直すこと。あれをやってくれたら一発で好きになる。

Aさん 今日僕は、ボタンを自分で縫い付けてきました。24年一人暮らしをやっていると何でもできるようになるんですよ(笑)。

Cさん 僕は今、母親と一緒に暮らしているのですが、快適です。仕事で遅く帰ってもご飯が出てくる。昔から母と仲がいいんです。会社で結婚している人を見ていると、奥さんに「今日仕事が遅くなるからご飯いらない」とかコソコソ電話している。あれは大変そうだなと。

Aさん 大学の後輩の女性たちを観察すると、家庭を任せられるなと思う子から順にちゃんと結婚している。やっぱりそういう子から選ばれていくんだなと思います。だから独身を謳歌している人じゃなく、誰もが結婚したくなるような子なんだけど、たまたま結婚でもめて別れたばかりという女性と、うまいこと出会って結婚できたらいいなって。

水無田さん でも、家庭を任せられるからといって、「肝っ玉母ちゃん」みたいなビジュアルは嫌でしょ?

Dさん ちゃんと乙女な部分は残しておいてほしい(一同うなずく)。

水無田さん みなさん、結婚したいと言いつつも、全然誰でもいいわけじゃないんですね。どんな出会い方が理想ですか?

Bさん 20代のときは、恋愛ドラマみたいな出会いが理想的だと思っていました。ハンカチを拾って彼女が振り返って……みたいな。でも実際は合コンなど出会える場所に行かないと機会もない。だから、最近は仕事が忙しくても断らずに積極的に行っています。

Cさん この前、話題の「街婚」に行きました。でも、自然じゃないんです。女性もガツガツ聞いてくるから僕には合わなかった。

Aさん 結婚相談所を利用しようと思ったのですが、自分が求めているところがスペックでは判断できないところなので諦めました。やはり、普通の恋愛結婚が理想です。

●「スピード感が違う」

Dさん 僕は「大学で出会って社会人2年目に結婚」っていうのが最高だと思う。結婚式で「出会いは友達の友達です」というのはだいたい合コン。それってやっぱり自然な出会いじゃないから。

Bさん 最近は親がお見合いの話を持ってきます。しまいには、近所の人までいい人がいると言ってくれて。自分はどんだけ心配されているんだろうって。ありがたいですがショックでした。結局会わなかったです。

Cさん 30代後半になって結婚していないというのは、決定的にヤバいところがあるんじゃないかと、どこに行っても言われます。

Aさん 僕は今43歳ですが、1年以内に結婚できないなら妥協しようと思うくらい焦ってます。40代になると急にモテなくなる。スピードアップしないと間に合わないと感じていて、これが30代前半の結婚したい女子の気持ちなのかと。

水無田さん 学生さんと話をしていると女性はみんな30代前半までに結婚したいと思っている。男性と10年くらい時間軸がずれているんですよ。

Bさん 以前、「あなたとはスピード感が違う」と女性に言われました。付き合う前に月1回くらい会って、いい感じになってきて6カ月目くらいに告白するというシナリオを描いていたら、3カ月目にその女性に「私のことどう思ってるの?」と聞かれた。ショックでした。30代前半の女性は婚活が業務的!

Dさん 両親が僕を見て「私たちは孫の顔が見られないのか」とポロッと言った。そうか、親の人生は孫を見ることで完成されるのかと思うと、そろそろ結婚しなくちゃと焦ります。

●男の寂しさは補えない

Bさん 僕も、親のためにっていうのはありますね。結婚したきょうだいに会うと、家庭をつくるとこんなふうに楽しく生きられるのかなとも思う。

Aさん それは男性も30代だから感じることなのかもしれない。歳を過ぎると誰かのためというより、本気で寂しくて、ただ自分のために結婚したい。今も寂しいのに、老後も一人なんて考えられない。お金を稼ぐ目的もわからなくなってきた。

Bさん 僕も寂しいです。特に仕事から帰った金曜日の夜とか。

Aさん この何ともいえない男性の寂しさは独身同士のコミュニティーがあったとしても補えないと思う。女性は80歳でも友達と歌舞伎を見に行ったりするけど、男ってあまり群れないから。

水無田さん みなさん仕事以外の人間関係もありそうなのに、寂しいというのは意外でした。

Bさん 矛盾してますが、寂しいと言いつつひとりでもいたいんです。そんな時はひとりでバーに行ってボーッと過ごす。

Cさん 僕は一時期すごい合コン三昧で、たくさんの女性と出会ってLINEでメッセージのやりとりをしていたのですが、好きでもない人と実りのない会話をしていることがむなしくなって連絡するのをやめました。

Dさん 結局、世の中をあまり知らない若いうちに結婚するのが平和なんだと思う。女性を必要以上に見過ぎたのかもしれない。僕たちも、年を重ねるごとに「男子力」が上がってしまったような気がします。

(協力 品川プリンスホテル Nタワー ビジネスラウンジ)
AERA 2015年6月22日号

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