都心の不動産市場が活況だ。最近ではシングル女性も熱い視線を注ぐ。背景に何があるのか。
不動産経済研究所によると、2014年の首都圏の新築マンション平均価格は、5060万円。1992年以来の高値となり、不動産市況は「プチバブル」の様相を呈する。そんな中、シングル女性が不動産に向ける視線も熱を帯びている。「女性のための快適住まいづくり研究会」代表の小島ひろ美さんが語る。
「結婚をあきらめた女性が“終(つい)のすみか”としてマンションを買うと言われたのは、20年以上前の話。研究会のセミナーでも投資関係が1番人気で、参加者の7割以上がシングル女性です。男性のような投機目的ではなく、最初は自分で住んで、結婚などでライフスタイルが変わったら賃貸に出して家賃収入を得たいと考えている人が多いですね」
研究会の会員約7万6千人を対象にした分析では、約7割が会社員で、年収は400万~599万円が最も多い。約8割が自己資金を400万円以上持っており、約半数は800万円以上。年齢は30、40代が65%なので、勤続10年以上の蓄えのある堅実なOLが多いようだ。
「シングル女性は男性に比べてローン破産などの“事故率”が少ない。今は金融機関のローン審査も保証人が不要で、30、40代なら税込み年収の6、7倍のローンが組めるケースもあります」(小島さん)
14年に首都圏の新築分譲マンションを契約した人を対象とするリクルート住まいカンパニーの調査によると、シングル女性は5割以上が東京23区内でマンションを購入。購入理由で全体平均より高いのは、「資産を持ちたい」と「老後の安心のため」。自己資金は平均が1064万円なのに対し、シングル女性は1498万と、434万円多い。
※AERA 2015年3月30日号より抜粋