それにしても、現場に行っても仕事が回ってこないのはなぜか。原発の現場も除染の現場も、人手不足は深刻だ。福島労働局によれば、12年度の新規求人に対する充足率は全体平均で25%、除染作業員に限ると12.4%と、人手不足は深刻化している。雇用のミスマッチについて先の桂さんは言う。
「待機させられるケースは、重層下請け構造の下の会社に雇われた人が多い。そうしたところは、見切り発車的に求人して人を集めたものの、作業の予定がずれ込んだりして仕事が取れない。そして待機させても、休業手当を支給しない」
原発事業の発注元である東京電力と、除染の発注元であるいわき市はどう考えているのか。
東京電力の担当者は、「コメントは差し控えさせていただきます」(広報部)
いわき市の担当者は、「1次下請けまでは把握しているが、責任と申しましても……」(除染対策係)
※AERA 2014年3月17日号より抜粋