仕事や私生活などで日々活用しているITツール。一方で、コミュニケーションがメール頼みになってしまったりと問題も。そんな中、IT企業であるにも関わらず「IT断食」をすることで仕事の効率をアップさせている企業がある。大企業・組織向けにソフトウエアを販売する「ドリーム・アーツ」だ。
2011年11月、会議へのパソコンやスマホなどのIT機器の持ち込みを禁止。さらにパワーポイントでの資料作成は許されず、社内CCメールも使用してはいけない。13年6月には営業部員に貸与していたパソコンの返却を命じた。企画書や見積書などパソコンが必要な業務はすべて支援する部門が担当することになったのだ。これらに対し当初は当然のことながら社員から強い反発の声があがった。IT企業に就職したのに、との声もあった。
だが、山本孝昭社長は断行したのだ。
「人に会ったり、自分で考えたりするような『価値あるアナログ時間』を増やす目的で、効率化のためにITを導入した。そのはずなのに、多くの企業や社員は膨大なメールをさばいたり、装飾に凝った資料を作ったりすることで逆に時間が奪われ、仕事の質も下がっているのです。我々こそITに使われるのではなく、使いこなすようにならないといけないのです」