かつては華やかな存在、長引く不況期を経て今は高齢化が深刻に(撮影/写真部・松永卓也)
かつては華やかな存在、長引く不況期を経て今は高齢化が深刻に(撮影/写真部・松永卓也)
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 一時期、新たな生き方として注目された「パラサイト・シングル」。その形は、時代とともに変化しているようだ。

 20代を過ぎても親元に同居し、趣味や娯楽にお金を使う独身の若者。1999 年、社会学者の山田昌弘・中央大学教授は著書で彼らを「パラサイト・シングル」と名付けた。男女の生き方が多様化していく中で生み出されたこの言葉は、時代の変化とともに意味合いを変えながら今も社会問題の中核にあり続けている。山田さんは、こう振り返る。

「90年代後半のパラサイト・シングルの女性は特に華やかでした。正社員として働きながら収入のほとんどは自分のために使う。結婚願望があれば玉の輿を目指し、趣味を極め、旅行や消費に走るなど選択肢も多様で、それぞれ夢を追いかけていた」

 雇均法が改正された97~99年が転換点だった、と振り返るのはマーケティングライターの牛窪恵さんだ。

「女性にとっては働き続けることができる一方、男性は不況で結婚に身構え、男女ともに結婚の先送り現象が始まりました。団塊以降の親は結婚圧力が強くないですし、核家族化で個室もあり子どもにとっても居心地がよい。若い娘は手元に置いておくほうが安心だ、と考えるようになりました」

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