反面、住宅や家電製品の需要低下が生まれている──というのが当時あげられた問題点だった。アエラでは2001年5月28日号から4回にわたりパラサイト・シングルについて連載をしているが、その1回目に登場する不動産会社女性(当時28)はアエラにこんなコメントを寄せている。
「一部の人たちはパラなんてどうしようもないって言うけれど、誰にも迷惑をかけてないし、親だって家を出ないでって言ってるので何が悪いの?というかんじです。こ~んなにいっぱい買い物して、景気回復に貢献しているんだから、お礼を言われても、文句を言われる筋合いはありません」
連載では、父に先立たれ毎年のように入院する母の健康と精神を慮って同居しているという会社員男性(当時33)のこんな声も紹介している。
「人から見れば実家から近場の会社に通えて、暢気なパラに見えるんでしょうがねえ…」
時は経ち、長引く不況を背景に、経済的事情でパラサイトを続けざるを得ないシングルも増えている。そして今直面しているのがパラサイト・シングルの高齢化だ。牛窪さんはこう語る。
「最近、シェアハウスが流行(はや)っていますが、将来的には高齢者向けのシェアハウスが一般的になると思います。家族を作ることはできなくても、コミュニティーならば可能なのではないでしょうか」
※AERA 2014年1月20日号より抜粋