就職で有利に働くはずの「高学歴」。だが、ある調査では意外な結果が明らかになった。
企業が採りたい学生の大学を調べてみると、驚くことに偏差値順ではない。人事ポータルサイトを運営するHRプロの調査によると、2014年卒採用のためのセミナー開催やキャリアセンターの訪問など、企業が働きかけた大学は、GMARCH・関関同立クラスと呼ばれる上位私立大が最も多かった。旧帝大や早慶上智は中位国公立よりも低いという衝撃的な結果。やはり、日本では「東大卒」が敬遠されるのか。
同社社長の寺澤康介さんは言う。
「企業は規模に合ったレベルか、それより少し上の大学から人を採りたいと思っている。腕試しで受ける学生を避けるため、高すぎる学歴なら『うちのレベルでは満足しないだろう』とお断りする。もし、そういう学生が入社したとしても、伸び悩み、定着しない。企業数と大学の数が多い層が膨らんで上位になっています」
一方、人気企業ランキングなどで名前が挙がるような、数千人、数万人規模の超大手企業は「圧倒的に旧帝大、次いで早慶上智」をターゲットにしていて、その傾向は強まっているという。特に金融系の企業では旧帝大をどれだけ採れるかが、人事担当者の評価基準にされることもあり、学歴不問採用からの揺り戻しが起きている。その背景には何があるのか。