森友学園の小学校建設予定地に埋まっているとされる、大量のゴミの存在。安倍首相や昭恵夫人と籠池夫妻の親密な関係を知った財務省が、なぜ8億円も国有地を減額したのか。財務省が公文書改ざんまでして、8億円の減額や安倍首相や財務省幹部の関与を隠そうとしたのか。

 国民の関心事は裁判では何一つ明らかにならなかった。

 また、大阪府と大阪市の補助金を騙し取った詐欺容疑について諄子被告は無罪。

「信用できない」「犯罪の証明がない」と裁判長はこう繰り返し、捜査の問題を指摘した。法廷終了後、収監された泰典被告に代わって、諄子被告は、裁判所や検察への不満をこうまくし立てた。

「安倍首相に反逆したら、こうなってしまった」

「公文書改ざんで財務省の役人は48人も不起訴ですよ。おかしいでしょう」

「安倍昭恵さん、嫌いです、卑怯だ。100万円の寄付をもらったのは本当だ」

「判決は冤罪、日本は冤罪だらけです、不公平な司法」

「検察ストーリーが決まると、何を言っても通らない」

 諄子被告は泰典被告の意向を確認して、控訴する方向だという。
(今西憲之)

※週刊朝日オンライン限定記事

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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