

気になる人物の1週間に着目する「この人の1週間」。昨年5月、アルバム「My Bouquet」を引っ提げて、ソロ歌手として「デビュー」。2月から始まった全国ツアー直前の「ランちゃん」を直撃した。
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「ランちゃ~ん!」
「おかえりなさーい!」
超満員のファンから大きな声援で迎えられたのは伊藤蘭さん。昨年6月11日、キャンディーズ解散以来、41年ぶりに歌手としてステージに立った。同年5月にリリースされ、初登場でオリコンチャートの8位にランキングされたソロデビューアルバム「My Bouquet(マイ・ブーケ)」からの楽曲に加え、「春一番」「年下の男の子」「ハートのエースが出てこない」など、キャンディーズ時代のヒット曲を披露した。
41年ぶりにソロデビューするにあたっては、最初に事務所の社長から「歌ってみませんか?」と話があり、軽くうなずいてからというもの、あれよあれよという間にCD制作まですることになってしまった。CDを作ってみると、お客さまに直に聴いてもらいたいという気持ちが高まってきたと蘭さんは言う。
「聴いてもらいたいという気持ちが生まれると、今度はもっとと、次々とやりたいことが派生してきたんです。だから、ソロCDを作り始めたとき、ライブの計画も一緒に進めてきました。でも実は、それを継続するかは決めていませんでした。それが、ツアーまでできるようになるなんて、本当に考えてもいませんでした」
とはいえ、初めてのソロコンサートには不安もあった。
「キャンディーズ時代は、ステージで歌うときに3人いるという連帯感もあり、それは勇気にもなりました。でも今回は一人。まったく未経験のことをこの年になって体験できるとは想像もしていなかったんです。数年前から漠然と、“まだ見ぬ自分”の姿を想像していましたが、こういう形になるとは思ってもいませんでした。しかもキャンディーズの歌を歌うなんて」
この初ソロコンサートの大好評を受けて、2月15日の新宿文化センターでの東京公演から始まったのが、アンコールツアーだ。4月まで全国8都市を回ることになる。しかも、このアンコールツアー、キャンディーズの曲も満載だという。背中を押したのはファンの声援だった。