チェリオコーポレーションが販売している「天然水ホット 500mlPET」=同社提供
チェリオコーポレーションが販売している「天然水ホット 500mlPET」=同社提供
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 飲料の自動販売機に「白湯(さゆ)」が登場した。チェリオコーポレーション(京都市)の「天然水ホット 500mlPET」という商品だ。「乳児のミルクもつくれる」などと、SNSなどで反響を呼んでいる。

 過去にも数回、他社で白湯を売る自販機販売があったが、需要がなかったり、温度管理が難しかったりで、消えていったという。チェリオのマーケティング室、高田梓さんはこう話す。

「そもそも500ミリリットルペットボトルのホット販売は少ないです。美容や健康に気をつけている方、妊婦さんなどカフェインを控えている方に、お湯を購入していただけるのではと考えて投入しました」

 チェリオは自社の自販機を関西と中部地方、沖縄で展開している。このうち関西と中部にあり、温度管理などの対応が可能な自販機で、今回の白湯を購入することができる。

 白湯の商品は、ほうじ茶とブラックコーヒーのホット3品を並べる形で販売。いずれも500ミリリットルのペットボトルで、100円だ。3品のなかでも白湯への反響が大きい、と高田さんは明かす。

 自販機のホット飲料の温度は50度ぐらいが一般的で、今回の白湯もこの温度になっている。ホット飲料は品質管理の観点から、長時間、温め続けることができない。高田さんは「早く販売しなければなりません」という。

 この白湯には、チェリオの製造工場がある滋賀県の鈴鹿山系で濾過(ろか)した水源の天然水を使用している。チェリオの商品情報サイトによると、賞味期限は常温保存で18カ月。赤ちゃんの粉ミルク用の使用も想定しているようで、粉ミルクメーカーの推奨温度をよく確認したうえで判断していただきたい、としている。

 今回の白湯は数量限定。具体的な数値は非公表だが、売り切れば販売終了となる。高田さんはこう言う。

「現時点で、来年度以降については未定です。今後、売れ行きを総合的に判断して決めます」

 過去に消えていった自販機での白湯販売。定着するかどうかは、今後の需要動向次第となる。(本誌・浅井秀樹)

*週刊朝日オンライン限定記事