大人数での収録で大変なのはマイクの争奪戦。特にここ何年か、忍術学園全員参加のお話があると、一度にスタジオに入る人数が40人近いことも。お互いにタイミングを見ながら、4本のマイクに出入りします。

 一緒に言うセリフも多数ありますが、同じメンバーで長くやっていると合わせるのは楽です。みんなで一緒に年を重ねているので、大変だなと思うこともなく、変わらずに楽しく演じています。

――同じキャラクターを長く演じてくる大変さ、楽しさは?

 大変さはないです。だいたい半年のうちに収録をして、半年はお休みになるんです。
ですから、休み明けにみんなに会えるのが楽しみですね。新シーズンが始まると、「は組のみんながそろったら宴会だね~」と。

――キャラクター設定(年齢)は変わらないので、キープしていくのは大変なんだろうなと思ってしまいます。

 特に何も意識していません。スタジオに入って、(田中さんと一龍斎さんとの)3人でぱっとしゃべると、どんな状態でも乱太郎、きり丸、しんべヱの3人になっている。

 でも初期の頃の再放送を見ると、キャラクターの顏も違うし慣れていない感じで、「若いな~」と思うことはありますから、全く変わっていないわけではないんですよね。

――高山さんにとって、乱太郎はどんな存在ですか?

 自分にないものを持っているキャラクターですかね。目が悪いところとか、走るのが速いとか、絵がうまいとか……。私は視力が良かったので、乱太郎の不自由さがわからなかったんです。自分がめがねをかけるようになって初めて、無かったらすごく困る物だと実感しました。

 最初から全ての設定があったかはわかりませんが、ストーリーの中で「えー、そうなの?」と知ることもありました。寮生活と家のお手伝いで農作業というのも、自分の経験には無いことですね。生活も遠い感じのキャラクターではあるんです。

 だけど演じていて楽しい。最初は他の皆さんとバランスを考えたり、話の方向性を探ったりする部分もありましたが、とにかくこちらが楽しんでやればいいんだと思うようになりましたね。

 一年は組の良い子たちは「テストはだめだけど実戦に強い」「力を合わせて思いっきり楽しむ」というキャラクターですから。

――長年愛されてきた魅力は何でしょうか?

 やっぱりお約束のギャグですね。初期のお話を今見ても、古いとは思いません。ちゃんとおもしろいんです。尼子先生が生み出す「お約束のおもしろさ」は、いつの時代でもどの世代にも受け入れられるものなんですよね。それから、キャラクターの多彩さも魅力のひとつですかね。

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乱太郎と江戸川コナンのキャラクターの違いとは