――最初に作品を知ったのは?
オーディションのときですね。キャラクター表や設定資料で知りました。
――メインキャラクターを演じるプレッシャーなどはなかったですか?
楽しみだなぁという思いだけで、プレッシャーはありませんでした。ただ、まさか27年間も乱太郎でいられるとは、そのときは思いませんでしたけど(笑)
シーズン終了間際に、「来期はどうなるんですか」と尋ねると「まだ決まっていないんです」という答えが返って来た時期もありましたが、「乱太郎をやめましょうとなると代わりになるものがないんです」とプロデューサーがおっしゃっていましたね。
「これは揺るぎないものにして、絶対やめさせられないようにしてしまおう」と声優陣はみんな思っていたんじゃないでしょうか。
この作品の強みは、世代にかかわらずおもしろいと思っていただけるところです。子どものときに見ていたけど成長するにつれ離れていった方が、何気なくテレビをつけたら「あ、懐かしい」と、そこからまた見始めてくださったり、お子さんと一緒に見始めたら親御さんのほうが好きになっちゃったとかね。
昔も今も、おもしろいところは変わらないですね。その時の流行を取り入れることもあります。乱きりしんの3人で「ねえねえ、これ、こうやらない?」なんて話し合って、アドリブ的にやってみたりしますね。自分たちの方が先にウケちゃったりして(笑)
――田中さんも一龍斎さんも先輩ですが、気負いはなかったですか?
ほかでもお仕事でご一緒させていただいてたので、そういうことはなかったです。お二人とも大先輩ですが、始まってしまえば仲間ですし。初回、私が真弓さんと声が近いので、少し差をつけてくださいと言われましたが、意識的に演じていたのは最初の頃だけでしたね。私はちょっと高め、真弓さんは低めの音でと。
――アニメは今期で27年目です。変わったものはありますか?
(乱太郎は)最初のうちは語尾に「らん」がついていたんですよ。「~するらん」って。本当に最初のときだけで、いつの間にかなくなっていました。
始まった当初は、キャラクターの個性が今ほど強くなかったと思います。乱太郎、きり丸、しんべヱは、三人そろって落第点。テストの点数が視力検査でした(笑)このネタも懐かしい感じですね。
いつも三人一緒だったのが、一人ずつのエピソードも増えて、それぞれの生活や得意なもの、好きなものが見えてきて、変わっていきました。
――逆に変わらないものは?
「みんな」ですね。スタジオ内での雰囲気は変わらないですね。人数が多い作品なのでワイワイといつもにぎやかです。始まったときの若手がベテランに差し掛かって、先輩方は大ベテランに(笑)。同じような年代が多いですね。