「このポスターを批判したら、死がもっとタブーになってしまう」とポスターを擁護する声もあるが、それは違う。このポスターに恐怖を味わい、傷つけられた人の気持ちに寄り添うことが、自分ごととして死を真摯に語ることにつながるのだと私は思うよ。そのような想像力と命への尊厳が失われているのが、あのポスターが象徴する今の日本なのかもしれない。
「吉本のお笑い」は、完全に日の丸印になった。傲慢(ごうまん)でつまらない。親友はつまらないことに耐えられない人だったから、お先にサラバ、と今頃笑っているような気がする。彼女が逝った日、木内みどりさんの訃報(ふほう)を受けとった。みどりさんも親友も、想像力が紡ぐ希望と、自由な笑いと、真剣な闘いを私に教えてくれた。誇り高き女友だちへ。痛みのない世界で、安らかにおやすみ。
※週刊朝日 2019年12月13日号
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