碓氷に片思いしていた名越が、彼に復讐(ふくしゅう)を図ろうって筋なんだけど、「オッホホ~、センパ~イ、そこにいるんでしょ~? ウッフフ~」なパーリー演技が気になってそれどころじゃない。
不意に土砂降りの雨の中、2人の死闘が始まり、「お前は豚だあああッ! 家畜は食われろおおおッ!」と、遊佐がほえる。
その瞬間、パーリーが子豚ちゃんになるカットがインサート。雨に打たれ震える子豚。なんなんだよ。「千と阿須加の神隠し」?
そんなカオス状態を、子供・克喜が発砲してストップする。と、さっきまで、パーリーの太ももにボールペンぶっ刺していた遊佐が、おもむろに子供に説教だ。
「お前次第でこの世界はいくらでも変えられる。どんなことがあっても生きろ。這(は)いつくばっても明日を掴め」って、いつから君は金八先生に?
エンディングには、サザンオールスターズのこれまたまったりとしたバラードが流れ、何から何まで「これじゃない」感が漂う。唯一わかることは、こんな何かっつーと発砲ばかりする警察が存在したら、リアルにニッポンオワール。
※週刊朝日 2019年11月1日号