

ゴルフ界の不動のレジェンド、青木功さん。アメリカゴルフツアー制覇や世界ゴルフ殿堂入りなど、日本人初の快挙を数多く成し遂げてきた“世界のアオキ”は、家族をこよなく愛するジェントルマン。この日の朝も、奥さまにキスして家を出てきたそうで──。作家の林真理子さんが青木さんの素顔に迫ります。
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林:青木さんは、海外も含めて通算85勝、世界ゴルフ殿堂入りもなさって、まさにゴルフ界のレジェンドでいらっしゃいますよね。青木さんが海外の有名なプレーヤーたちと楽しそうに話している写真を昔から拝見してますけど、あれはどういうことをしゃべってるんですか。もちろん英語はペラペラ……。
青木:英語はできない。だけど、幸いなことにゴルフのルールは英語なんですよね。「○○を」と言われたときに、その「○○」がわかると、あとのああでもないこうでもないは、ジェスチャーを交えながらでも何とか通じるんです。
林:ほんとですか。
青木:なんか知らないけど通じてるんですよ。一生懸命しゃべろうとしてる気持ちが、相手もわかってくれるんじゃないかね。「イサオは英語ができないのに、なんで俺たちの会話に入ってくるんだ」って何度も言われました(笑)。グレグ・ノーマン(オーストラリア)らとPGAツアーに参戦していたときに、「シー・ユー・ネクスト・イヤー!」と言って帰ろうとしたら、「来年のいつ来るんだ?」って言うんですよ。口の中で、えーと、1月はジャニュアリー、2月はフェブラリー、3月はマーチ……。
林:アハハハ。ほんとですか。
青木:それで「マーチ! セカンド!」って言ったら、「よし、わかった」って(笑)。
林:でも、奥さまは通訳ができるぐらいに英語ペラペラなんですよね。
青木:女房は僕がアメリカで試合を戦っているとき、英語で次の試合の飛行機だとかホテルだとかの予約をやってましたからね。
林:アメリカに行ったのは、奥さまの影響が大きいんですか。