




オランダ出身のヴィヴィアン・サッセン(Viviane Sassen)は、いま欧米の写真界でその動向が最も注目されている写真家といえるだろう。
第一線を行くファッション・フォトグラファーとしてステラ・マッカートニー、ミュウミュウ、カルベンやミッソーニのヴィジュアルを手がけている。その一方で、自身の作品プロジェクトを精力的に発表。一躍注目を集めたのは、2011年のパリフォトだった。ポスターや会場のファザードに彼女が手がけた黒人の少年少女たちのポートレートが大々的にフィーチャーされたのだ。あふれる原色、強烈な光、卓越したグラフィカルなセンスは、大いに評判になった。
2012年春からサッセンは資生堂が発行する企業文化誌「花椿」の表紙を手がけているが、その創作の方向性は、彼女がアフリカを縦横断して撮った作品集『Flamboya』の延長上にあると見ることもできるだろう。この表紙企画「12の顔」は、公募した日本人の一般女性をモデルにしてサッセンが1年間撮影を担当するというものだ。
サッセンは1972年にアムステルダムで生まれているが、子ども時代は父親の仕事の関係で、東アフリカで過ごしている。そのことと、2002年にプライベートで訪れたアフリカとの再会が、黒人の男女を独自の視点でとらえて行くシリーズへと結びついていったという。
アーネム王立芸術アカデミーでファッションデザインを専攻後、ファッション写真を学んだ。以降、「i-D」「Dazed & Confused」「POP Magazine」などで頭角をあらわし、次第にトップ・ブランドのキャンペーンを手掛けようになる。2007年、Prix de Rome、2011年にはICP Infinity Award(Applied / Fashion部門)を受賞している。
5月10日(金)には作品集『Sol & Luna』の発売(2009年発行の初版300部はすぐに絶版。今回セカンド・エディションとして待望の発売)を機に、日本では初のサイン会を東京・原宿のVACANTにて開催。
『Sol & Luna』はモノクロームのポートレート集。アフリカでのプロジェクトとは対象的に、やわらかな光線につつまれた、どこかノスタルジックな世界観が特徴的。スウェーデンのメンズ・ブランド「アワーレガシー」のためにサッセンが撮り下ろしたコンセプト・ブックで、太陽と月というテーマのもと、女性モデルにメンズウェアを着せ、両性具有の美しさを表現している。
イベント:ヴィヴィアン・サッセン『Sol & Luna』ブックサイニング
日時:5月10日(金)18時~21時
会場:VACANT(ヴァカント)
住所:東京都渋谷区神宮前3-20-13
TEL:03-6459-2962
主催:twelvebooks
協力:資生堂「花椿」編集室
*当日は関連書籍の購入者全員にサッセンのサインのほか『花椿』の4・5月合併号と6月号をセットでプレゼントされる。