「そしてその上で、たんぱく質、ビタミン、食物繊維はたっぷりとるよう心がけてください。肝臓はほとんどがたんぱく質でできています。また肝細胞や肝細胞が働くために必要な酵素の材料もたんぱく質。肝臓が正常に機能するためには、たんぱく質が必要なのです」

 肉、魚、卵、牛乳、チーズやヨーグルトなどの乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品はまんべんなく摂取するようにする。

 また、ビタミンも肝細胞の修復には欠かせないので、緑黄色野菜などをしっかり摂取。便秘をすると肝臓に負担がかかる。そこで便秘解消のために野菜、果物、きのこ類、海藻類等で食物繊維も十分に摂取する。

 そして肝臓を守るには規則正しい食事を、と野村医師は言う。

「朝・昼・晩、なるべく規則正しい時間で食べたいものです。不規則な食事で体のリズムが狂ってしまうと、肝臓の働きにも異常をきたします。特に、朝食抜きはやめましょう」

 朝食をとらないと、午前中のエネルギーが不足し、肝臓に蓄えられていたグリコーゲンをブドウ糖に分解して血液中に送り出し、全身の筋肉や臓器などのエネルギーにしなければならない。すると肝臓を機能させるグリコーゲンが不足して、肝臓の働きが悪くなってしまうのだ。

 朝食はしっかり食べること。プラス、野村医師自身には毎朝必ず食べることにしているものがあるという。

「それは『黒ごま納豆』です。呼吸する酸素の約30%は肝臓で消費されます。そのため活性酸素が非常に発生しやすく、それが蓄積されると体にさまざまな弊害が表れます。そこで活性酸素の撃退に役だってくれるのが、ごまに含まれているセサミンという成分。セサミンは、ごまに含まれるビタミンEと共に肝臓の抗酸化、つまり肝臓の老化の防止に働きかけてくれます」

 セサミンには、肝臓でのアルコールやアセトアルデヒドなどの有害物質を分解・解毒する作用を高める働きもあるという。

「そして納豆ですが、納豆に含まれるビタミンB2は脂肪の代謝に欠かせない栄養素です。これは脂肪肝の予防・改善にぴったり。また納豆のネバネバ成分・ムチンも肝機能を高めてくれますよ」

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