放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、1982年創業のチョコレート専門店「ショコラティエ・エリカ」。
【写真】浅田美代子さん御用達『ショコラティエ・エリカ』の「マ・ボンヌ」はこちら
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6月7日公開の映画『エリカ38』に主演している浅田美代子さん。完成披露試写会に、雑誌やテレビのインタビューに、そして初日舞台あいさつにと大忙しだ。
同作は、昨年9月に亡くなられた樹木希林さんが「企画」し、エリカの母親役で出演していらっしゃる。
希林さんが亡くなられて、ご自宅から斎場に向かわれるとき、親族以外で唯一、見送ったのが浅田さん。デビュードラマ『時間ですよ』(TBS系)や、『寺内貫太郎一家』(同)で希林さんと共演し、「つねに金魚のフンみたいに、くっついていた」と浅田さんは振り返る。撮影の合間、TBS会館の「トップス&サクソン」や「ざくろ」で浅田さんが10代の頃からランチをしていたという二人。
近年は、ワイドショーで女性が起こした凶悪事件を共に見ながら、「あんたは、こういう役をやったらいいのに」と希林さんは度々浅田さんの背中を押してくれたというが、「やりたいけど、私には(そんなオファーは)来ないよね」と浅田さんは諦め、「それで話は終わったと思っていた」そうだ。
ところが、ある日、希林さんがプロデューサー、監督の名前と共に台本を手渡してきたのが『エリカ38』。代表作がないことを悩んでいた浅田さんに、希林さんは最後の贈り物をしたのだ。
タイトルの「エリカ」と繋がりがあるのかどうかはわからないが、浅田さんが舞台『ミッドナイト・イン・バリ』の楽屋見舞いに来た知人への“引き菓子”として利用していたのが『ショコラティエ・エリカ』の「マ・ボンヌ ミニ」。まだ「シロガネーゼ」という言葉が誕生する前、某有名人カップルがデートしていた店として、いっきに全国区となったチョコレートショップで、いまやプラチナ通りのランドマークだ。