

脂を落としながら焼かれる豚バラは博多焼き鳥の定番。ポン酢を敷いたキャベツの上に盛られる(3本380円)。めずらしい豚軟骨、網の上で香ばしく焼く鶏手羽先もおすすめ。入店と同時に威勢良く太鼓が鳴るのも博多流だ。税別 (撮影/写真部・片山菜緒子)
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【和楽互尊】/東京都世田谷区北沢2-9-1 大新ビル2F(営)17:00~23:30L.O.(休)日
著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は、俳優・古田新太さんの「和楽互尊」の「豚バラ」だ。
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うちの劇団の座付き作家をやっている、(中島)かずきさんが福岡出身でして。彼が25年くらい前、下北においしい博多風の焼き鳥の店があると言って、劇団員たちを連れていってくれたのがこの店でした。
当時20代だったおいらたちは、髪の毛を赤く染めてモヒカンや電髪で。全員革ジャン姿でカウンターに座ったら、さすがに大将ににらまれました(笑)。それ以来、ちょくちょく飲みに行ったら顔なじみになって。いまだに通わせてもらっています。
博多の焼き鳥といえば、豚バラが定番。大将が塩をさっとふってカウンターの目の前で焼いてくれます。カリカリになった豚バラに、白ネギじゃなく、タマネギを挟んであるのが博多風。塩っ気のある豚バラと甘いタマネギをひと口ずつ交互に食べると、酒のあてに絶品。時々、キャベツをさっぱりとしたポン酢につけてつまんだりして。串3本でお酒が何杯も進みます。まあ、おいらの場合……どちらかというと酒のために串を食うって感じですね(笑)。
(取材・文/沖村かなみ)
「和楽互尊」東京都世田谷区北沢2‐9‐1大新ビル2F/営業時間:17:00~23:30L.O./定休日:日
※週刊朝日 2019年6月21日号