看板学科の評価が大学のブランド力を示す時代となった。大学の顔である「至高の学科」を訪ねる。今回は学習院大学・国際社会科学科。
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天皇陛下ら多くの皇族が学んできた学習院大。1964年に法学部、経済学部、文学部、理学部の4学部になって以来、学部の新設はなかったが、2016年、半世紀余たって設けられたのが、国際社会科学部だ。この学部の国際社会科学科に、注目が集まっている。
なぜいま国際社会科学なのか。乾友彦学部長は「社会で求められる人材のレベルが高くなってきている」という。英語が話せるだけではなく、経済学や経営学、法学など幅広い科学の知識をもとに具体的な提案ができる人材が求められている。
「親の世代には英語が話せれば国際人になれると誤解している人もいるが、もはやそういった時代ではない」
この学科で特に力を入れるのはデータを用いた分析力の養成だ。携帯やパソコンが生活に浸透したことで人々の行動が大量にデータ化されている。日本やアメリカなど多くの国際的な企業でデータを活用できる人材が求められている。
その力をつけるために、手厚い授業を設ける。入学前の3月から特別授業を開講。朝9時から昼12時までの3時間。データ分析に使う数学をみっちり学ぶのだ。
入学後、1年生や2年生の授業では経済学やマーケティング論など基礎的な知識を学びながら、統計など具体的な分析手法も学ぶ。3年生から始まるゼミを通じて、データ分析に基づく提案力を磨いていく。
「ただ分析するのではなく、経済にどういう影響を与えるか、実務に落とし込めるものになっているかなど、厳しく指導する。たとえば、あるゼミ生は、ゴルフ人口が減ったのはなぜか、というテーマで分析し、今の時代に合った広報戦略を考え出すなど、実践的な力を身につけています」(乾学部長)
英語力を徹底的に鍛えるのもウリだ。1年生は月曜日から金曜日まで毎日、英語の授業がある。1クラス20人程度で宿題も毎回出る。コミュニケーションやリスニング、ライティングなどの技能をスパルタ式で鍛えていく。