小泉:夏休みの宿題は文部科学省と協議の上NGにしましたけど、正直なところ、想像もしないようなものが出てくることは事実です。だからなるべく早く対応を決めていかなきゃいけないですね。

林:このあいだ大手出版社の人と話してたら、今、若い人は出版社の入社試験に受かってもIT業界のほうに行くそうです。私たちの世代だと、大きな出版社で本をつくってたほうが楽しそうに思うけど、「今の若い人はそうじゃないんだ」と言って嘆いてました。

小泉:僕、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さん(お笑いタレント)と仲いいんですけど、淳さんも「最近、芸人におもしろい子がいない。おもしろい子はネット系にいる」って言うんです。二人の結論として、「優秀な人=表現したい人」ということになって。昔はテレビとか新聞とか出版が表現できる場だったけど、今はインターネットがいちばん表現できるから、「テレビに出るより、ユーチューバーのほうがいいよね」とか、「インターネット業界でものをつくったほうがライフスタイルを変えられるかもしれない」みたいな流れになっている。だからインターネット業界に表現者が集まってきてるんだと思いますね。

(構成/本誌・松岡かすみ)

週刊朝日  2019年3月22日号より抜粋

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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