ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「アリアナ・グランデ」さんについて。
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先日アリアナ・グランデを聴いていたら、20代の後輩女装にえらく驚かれました。ミッツ・マングローブと言ったら、四六時中ユーミンか80年代アイドルしか聴いていないと思っていたらしく、「超意外!ってかウケる!」と笑う後輩に軽く殺意を覚えた次第です。
確かに世間が抱く40代昭和釜(しょうわがま)のイメージは、ユーミンと聖子と明菜とマドンナをこよなく愛し、さらに上になると越路吹雪とちあきなおみとダイアナ・ロスが加わるというのが王道ですが、まさか同業の後輩にそんな風に思われていたなんて……。一方で彼女のような平成釜について、ババア世代は「どうせ小さい頃から浜崎あゆみとレディー・ガガしか聴いてこなかったんでしょ?」と決めつけている節があるのも事実。誰よりも多様性を認め合っていないのは、もしかしたらオカマ同士かもしれません。
てなわけで私はアリアナ・グランデが好きです。だって可愛いじゃないですか。CDも買いますし、インスタもフォローしてたまに『いいね』を押しているほどです。しかし彼女がかなりの親日家だということは最近知りました。熱心に日本語を勉強し平仮名も書けるだけでなく「いつか日本に住みたい!」とまで言っているそうで、嬉しいではありませんか。実現すればオリビア・ハッセー、ジョーン・シェパード以来の衝撃です。下手すりゃ『新婚さんいらっしゃい!』のアシスタントも夢じゃないかも。住居はどこに構えるのでしょうか。きっとサンリオが好きだと思うので、ピューロランドが近くにある多摩センター辺りがお薦めです。