ニューヨークヤンキースの田中将大が登場する遺伝子検査の「ジーンライフ」のCMで、日本人女性記者役として共演する俳優をご存じだろうか。2017年からハリウッドに拠点を移して活躍する坂本祐祈(34)。一時帰国した坂本に、米国に進出したきっかけや、“遅咲き”を感じさせないハリウッドの文化、俳優組合などについて聞いた。
坂本は広島県の名門私立の広島女学院中高から上智大学法学部法律学科に進学。卒業後は日本テレビの営業職に入社したが、退社し、フリーアナウンサーとしてフジテレビ、TBS、NHKなどの番組に出演した。
「坂本はもしかしたら俳優の仕事も気質的にあっているかもしれない」
お世話になったテレビ局の上司の言葉がきっかけで演技の世界へと活躍の場を移した。芸能プロダクションを転々としたが、ついに転機がやってきた。
舞台観劇によく訪れていた知人のプロデューサーが、海外も視野に入れた活動を望んでいた坂本を国際的な映画作品のプロデューサーに紹介。
その後、海外の映画業界についてノウハウを授かったり、ハリウッドの映画監督や俳優を紹介されたり、スカイプでオーディションを受ける機会を得たり、と、ハリウッド進出までのサポートを受けることになった。
ハリウッドで活躍する俳優から 「米国は年齢も時期も関係ない。努力すればそれだけ結果が返ってくるよ。今からでも遅くない」と背中を押され、渡米を決意した。
アーティストビザ取得には、出演番組の視聴率データの提出も必要だったといい、日本テレビ時代の同僚の手助けがあったという。
「お世話になった方々に感謝してもしきれない思いをあらためて感じました」(坂本)
米国で初めて受けたオーディションは、「RAPID EYE」(日本未公開作品)だった。
坂本は、日本から来たばかりのナルコレプシー(突然寝てしまったり、発作的に体に力が入らず倒れてしまったりする病気)という病気を患った大学生しおりの役。