この国で労働力が不足しているところは、仕事がキツイのに低賃金であったり、長時間労働であったり、それなりに理由がある。
ほんとうに働き手が足りず困っているならば、企業側も労働者の賃金を上げるなり、待遇を良くするなり、努力しなくちゃならない。
そこをすっ飛ばし、外国人労働者を入れるとなると、今、この国でいちばん苦しい思いをしている人たちが、もっと辛い立場に追い込まれることになると思われる。
勢いを失いつつあるこの国では、ピラミッド全体が下にひきずられていく。ほんの一部の富める者の安泰を維持するために。格差はますます広がっていく。
そのとき政府は、外国人労働者への差別を取り締まるだろうか?
我々のうっぷんのはけ口として、外国人の差別にも目をつむるような気がする。最悪だ。
※週刊朝日 2018年11月30日号