ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「西島秀俊」さんを取り上げる。
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最近、NHKと日テレとTBSとフジのオンデマンドサービスに加入しました。2、3日休みが続いたりすると、家庭用脱毛レーザーを照射しながら新旧ドラマをぶっ通しで観続けています。食事はすべてUberの出前で済ませ、トイレットペーパーなどの日用品もAmazonに届けてもらいながら、家から一歩も出ることなく、ひたすら『渡鬼』や『コード・ブルー』を全シリーズ制覇する日々。時間や曜日感覚は見事に失われ、しかもパソコン画面をテレビにキャストして観ているため、気付けば世の中の動静をまったく知らないまま48時間ぐらい過ごしてしまうことも少なくありません。
先ほども「せめてニュースぐらいは」と思い立ち、ちょうど有働さんのzeroの時間だったので付けたところ、『小池徹平結婚』という2日ぶりに得る情報としては、なかなか処理に困るニュースが飛び込んできました。これが『WaTのふたりイギリスで同性婚!』とかであれば話は別ですが、今の私を2018年に留めておくには効力ゼロです。すぐに過去へ戻ることにしました。
ちなみにここ数日観ているのは、1992年にTBSで放送された『木曜日の食卓』というドラマ。私のバイブルでもある名作『金曜日の妻たちへ』シリーズでお馴染みの木下プロ製作、篠ひろ子&古谷一行の“金妻コンビ”が7年ぶりに夫婦役を演じ、40代後半に差し掛かった団塊世代が直面する“子供の結婚”や“2世帯住宅”といったジェネレーション・シフトを描いた作品です。恋愛モノより断然ホームドラマ派だった私(当時17歳)は、「金妻チームの作るホームドラマなんて!」と夢中になって観ていました。今や中高年のスタンダードナンバーになった感のある竹内まりやさんの『家に帰ろう』も、最初はこのドラマの主題歌として書かれたものです。