だが、周囲のざわつきはまだ続いている。大阪府庁は2008年から庁舎敷地内を禁煙とした。25年の万博誘致のため、受動喫煙対策で国の改正健康増進法より厳しい内容の条例制定を目指すとしていた。
昼休みになると、大阪府庁前の交差点を南に渡ったところに、もくもくと煙が上がっている一角がある。ここが府庁職員の喫煙所となっている。このような喫煙所はもう1カ所あり、昼休みは大入り満員だ。愛煙家の府職員は、こう不満をぶちまける。
「公用車で喫煙していた松井知事は、私らには、勤務中は吸うな、吸うなら昼休みだけにしろ、しかも庁舎からわざわざ道を隔てて歩いて喫煙所に行けと指示している。明らかな言行不一致、おかしいですわ」
というのも、これまで大阪府では、勤務中に喫煙していたことで処分者が10人ほど出ているのだ。
今年4月にも、男性職員が1日数回、席を離れ近隣のビルで喫煙していたのが発覚。依願退職している。
松井知事は、密城府議の追及に、公用車を「喫煙室代わり」にしていたのは、今回発覚する以前からだったと認めている。
それでも松井知事は府議会で「禁煙しません」と宣言した。約3週間後に迫る万博誘致の投票に影響が出るというバッシングもある中、どう対応するのだろうか?(本誌・今西憲之)
※週刊朝日 2018年11月9日号