「倉庫のようにずっと荷物を置いておくわけではない。施設に合わせた積載荷重にして設計しているということです」
こうした主張に、前出の森山氏は疑問を示す。
「積載荷重を少なくしても建設費のコストダウンにはつながらない。また、市場の忙しい現場では、2.5トンフォークでパレットを何段も重ねて運んでいます。業者とも合意しているといいますが、東卸(東京魚市場卸協同組合)の理事との会合で、外形的事実を積み上げているだけです。市場の全ての業者が東卸に委任しているわけではない」
本当にこのまま移転して大丈夫なのか。前出の中澤氏は、問題は山積みだという。
「築地の運用を見たら、1平方メートルあたり700キログラムで足りるわけがない。他にも駐車場が全然足りません。周辺の道路も環状2号線が全面開通していないので、都心からのルートが少なく、渋滞も予想されます」
こうした問題が表面化した場合、誰が責任をとるのかもはっきりしない。豊洲市場が開業してから、「築地市場の方が良かった」と嘆く声が続出しそうだ。(本誌 亀井洋志)
※週刊朝日オンライン限定記事