静岡県浜松市の看護師、内山茉由子さん(29)が連れ去られ、静岡県藤枝市の山中で遺体が見つかった事件は、謎の多い展開となってきた。
静岡県警に14日までに監禁の疑いで逮捕された住所不定の伊藤基樹容疑者(28)と名古屋市天白区の鈴木充容疑者(42)は、インターネットの「高額バイト」という“闇サイト”の募集に応じて、互いに初対面で犯行に及び、「黒幕」の男が背後にいるというのだ。
2人はむろん、被害者の内山さんとも面識もなかった。
事件は今年5月26日午後6時ころ、浜松市のスポーツジムの駐車場で、内山さんが自分の車に乗り込もうとしたとき伊藤、鈴木容疑者に襲われ、車ごと連れ去られた。
その後、内山さんの家族から警察に行方不明との届けがあり、スポーツジムの防犯カメラから犯行が発覚した。静岡県警はスポーツジムの防犯カメラの映像からどこかで監禁されているのでは、と捜査を開始。
やがて内山さんの車は三重県桑名市で発見されたが、本人の姿はなし。静岡県警は、監禁されている可能性もあると、大規模に捜査を展開し、カーナビの走行履歴から藤枝市の山中を割り出し、内山さんの遺体を発見した。
「伊藤容疑者は警視庁で別件で取り調べを受けた際、ネットの高額バイトで内山さんを拉致したことを喋り出し、静岡県警に通報。さらに11日に鈴木容疑者も愛知県警中川署に出頭。監禁したことを供述し、主犯格の”謎の男”の存在が浮上した」(捜査関係者)
内山さんが襲われたのは、まだ外が明るい午後6時。
防犯カメラあちこちに設置されている駐車場という、あまりに大胆な犯行だった。