「私は子供に世話されて生きる様な弱々しい人間になりたくは無い。そしてそんなのは幸せとは思わない。ひとはさまざま。これが幸せなのだという様な決められ方は大嫌い。これが子供の時から意識した私の生き方なのだ」(原文ママ)
暮らし方について、生き方について。溝井喜久子さん(83)のツイッターは、いつもきっぱりはっきり。
「もともとは友人のイベントを告知するために始めたんですよ。でもやり始めたら一気に世界が広がって」
若い世代とも頻繁に交流。
「ちょうど私世代のお姑さんのお世話をしている人たちとのやりとりも多いですね。皆、お年寄りの世話が嫌なわけではない。ただ、無理難題言われてモヤモヤを抱えていたりして」
だがそんな心情は誰にも伝えられない。そこで溝井さんに相談を。
「ツイッターという場だったら匿名だからどんどん言えるし、私のほうからもいろいろ書くし、それを読んだ他の人も話に加わってくると『あ、私ばかりじゃないんだな』と思えたりして。たまったものを吐き出せるだけでも結構皆さん、救われた気分になるみたい。そんなことでも私が少しでもお役に立てているのでしたら、うれしいですね」
夫は2年前に他界したので、今は一人暮らし。でも食事は自分で作り、三食きっちり食べている。食事メニューもツイッターにアップ。毎食、すごい品数だ。
「写真映えを考えて、ちょっと多めにしたりすることもあるんです(笑)。食事は生きていく上で、基本中の基本でしょう。だから自分で作れるうちは自分で作りたいんです。自分で食べるものすら作るのが面倒くさいと言い始めたら、結局全部面倒くさくなってしまうものです。食器を洗うのが面倒? 怠けすぎよ、それ。“ご隠居さん”なんて担がれて左うちわで暮らしていたら、あっというまにボケちゃいますよ」
日々健康に生きていくには、新しいことにどんどん挑戦していくことだと思う。
溝井さん自身は、雑誌「3分クッキング」で昭和の台所の思い出を語るエッセーを始めたところだ。
「どんなことだって何になるかわからないからこそ、やりがいがあるんです。すぐに『無駄』『嫌』『面倒』なんて口にしたら損ですよ」
(エディター・赤根千鶴子)
※週刊朝日 2018年4月27日号