放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「みなさんのおかげでした」について書く。
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フジテレビ「みなさんのおかげでした」が最終回を迎えた。現在45歳の僕が高校生の頃に始まったのが「みなさんのおかげです」。僕も、周りも、みんなとんねるずに熱狂した。「みなさん」がどんなふうに最終回を迎えてくれるのか?ということは、一人のファンとして、そしてテレビを作っている人間として、注目していた。
バラエティー番組はドラマと違って、基本、「打ち切り」と言われる。視聴率が絶頂の時に終わったバラエティーはほぼない。どんな人気番組でも視聴率が落ちてきて終わっていく。
悲しく終わっていく。だが、そんなバラエティーの最終回を華々しく迎えて伝説となったのが「笑っていいとも!」だ。最終回のゴールデンのスペシャル生放送では、今のテレビでは共演することのないキャストが共演し、改めてタモリさんと番組の凄さをみんなの脳裏に焼き付けた。
同じクールで最終回を迎える「めちゃイケ」は5時間超えのスペシャル。そして「みなさん」は、なんと通常の1時間で終わる。僕は驚いた。テレビ局は絶対に長時間のスペシャルの最終回をオファーしたはずである。通常の放送時間で終わると決めたのは、絶対にとんねるずさんに違いないと僕は思っている。長時間で華々しく終わる方法も素敵。だが、とんねるずさんは通常の1時間で終わっていく美学を選んだのではないかと。