

「着物業界を変えていきたい」。こう意気込むのは着物などの買い取りサービス大手「スピード買取.jp」を運営するBuySell Technologies(バイセルテクノロジーズ・東京)の岩田匡平(きょうへい)代表取締役CEOだ。身につける人は減っているなか、なぜいま着物なのか。
――着物の買い取り事業に力を入れています。
着物にはチャンスがあるからと確信したからです。私自身はもともとコンサルタントで着物業界に接する機会はありませんでしたが、バイセルテクノロジーズの経営に関わり始めて魅力を感じました。着物市場は全体的にはダウントレンドと見られています。一方で、着物には否定的なことを言う人は一人もいません。全世代の女性が着てみたいと思っています。外国人も「クール」と言います。誰もが好意的に見ている。これはチャンスがあると思いました。
――買い取る商品は、それぞれ価値が異なります。値段をつけるのは難しいでしょうね。
担当者には約2カ月の研修プログラムがあり、目利きや真贋(しんがん)を判断する能力を高めます。もちろん、短期間であらゆる能力が身に付くわけではありません。いくらで買い取るのか、本部の部署でも確認する体制にしています。
――売る方も強化しています。
いかに販路を開拓できるかに、事業の成功がかかっています。販売分野にも出て行かないと、中古品の買い取り事業だけでは利益が出にくい。少しでも高く買い取り、手の届く価格で販売することで、お客様に貢献できると思っています。
インターネットの影響もあって、個人が物を売買することへの抵抗感が低くなっています。例えば、メルカリ(ネットのフリーマーケット)といったサービスの普及で、二次流通マーケットが成長しています。
「ヤフオク!」や楽天などを活用して、エンドユーザー向けに着物の販売を開始し、この1年で急拡大しました。サイトへの掲載画像の見せ方などを学び、問い合わせにもきちんと答えています。物が届いた人に「ガッカリ感」がないよう心がけています。
デパートなどの催事で、直接販売もしています。