かつてニューヨークに一年ほど暮らしていたころ、頻繁に展覧会を見にいった。特に最初の頃は毎日のように美術館や、ギャラリーに向かった。ほかにすることが思い浮かばなかったし、そもそも、なかったからだ。つまり時間を持て余していた。たいして知り合いも友達もいないのだから、誰かに会うこともできない。だから自然と足が向かったのだ。 そんなか、ある美術館で二枚の写真を目にした。その写真の前で足が止まった。二…

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