振り袖の販売やレンタルなどを手がける「はれのひ」(本部・横浜市中区)が成人式の日に”計画倒産”した騒動で、警察などへの被害相談は全国で700件以上に上っている。その渦中にある同社社長の篠崎洋一郎氏は現在、行方不明でネット上では海外逃亡説が飛び交っているが、その高跳び先の1つとされているのが中国だ。
民間の信用調査会社によると、篠崎氏は茨城県内の高校を卒業後、過去にアパレル会社、着物販売、レンタル業者大手などに勤めた後、2008年に呉服業界や写真館向けの経営コンサルタント会社を起業した。
その後、中国に渡り、結婚関連の展示会、イベントなどに顔を出していたようだ。2010年に天津で行われた「中日首届婚礼文化研討会 中日第一回結婚式の文化討論会」にも参加。インターネット上では篠崎社長が「日本婚慶行業協会代表団(中国語表記)」の一員として、出席したと記されていた。
篠崎氏は当時、「兵庫六甲山婚礼会館代表取締役」という肩書きを使っており、「婚礼専門家」と紹介されていた。
現地中国の婚礼サービス協会会長や婚礼業界関係者と交流し、兵庫六甲山婚礼会館と現地の婚礼会館が提携すると、当時の中国のネット記事には記されていた。
しかし、兵庫六甲山婚礼会館らしき会社は本誌が調査した限りでは現存していない。その当時、篠崎氏と会ったことがあるという北京在住中国人がこう証言する。
「河南省鄭州市で行われた婚礼関係の商談会や、上海市での婚礼イベントで、人に紹介されて2度ほど会った。通訳も一緒にいましたが、彼は簡単な中国語は話せてました。ただ、それっきりで、全く連絡は取っていません」
2010年から12年頃まで中国でのビジネスを模索してたのか、中国の展示会やセミナーに姿を見せていたという。2010年~15年まで篠崎氏からコンサティングを受けていた都内の呉服屋店主はこういう。
「篠崎さんは着物販売、レンタル大手でサラリーマンをやった経験からいろんなノウハウは持っていた。中国で着物などを使ったウエディング事業をやりたいとよく話していた」