台風の中、巨木を掘り起し吊り上げる。ぬかるみで叫んでるプラントハンターよりも、クレーンを操縦する専門職の技術にしびれる。この巨木を港まで輸送するのがまた大事業だ。新幹線の車両輸送に使われる巨大なトレーラーに積まれた巨木、果たして急カーブを回り切れるのか? ガードレールを取り外しても、傍らの民家の壁スレスレ。まるで御柱祭か岸和田だんじり祭状態で、もはやクリスマスどころじゃない。いったいなんでこんなデカいもの運ばされてるのって、むしろ輸送業者主役の「情熱大陸」やってほしかった。
多大な汗と労力をかけてついに神戸に到着。番組のクライマックス、ツリーの前で葉加瀬太郎がバイオリンの生演奏を披露する。でもね、全然キラキラしてないの、このツリー。そもそもイルミネーションもついてないの。なんだか願いを書き込んだペラペラのオーナメントを飾ってるらしいけど、それって七夕ですからー! 富山からやって来ただんじり御柱な七夕ツリー。炎上ついでに無病息災を祈って、小正月にどんど焼きしてみればいかがか。
※週刊朝日 2018年1月5-12日合併号