漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「情熱大陸」(TBS系 日曜23:00~)をウォッチした。
【イラストはこちら】カトリーヌあやこ氏がみた「もじゃもじゃ情熱大陸」
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樹齢150年、高さ30メートル超のあすなろの木を、富山県氷見市から神戸港へ輸送。プラントハンター・西畠清順が世界一のクリスマスツリーを植えるというプロジェクトに密着した「20年記念スペシャル」。
しかし放送前に、このプロジェクト自体がネットで大炎上した。あすなろの木を、ヒノキになりたくてもなれない「落ちこぼれの木」と認定する西畠。その木を「この瞬間世界一輝く夢と希望」の象徴にしてあげようって、インチキJ-POPの歌詞みたいな言い分に煙がモクモク。被災地への鎮魂、復興と再生というテーマを掲げながら、イベント後にはツリーを切り刻んで腕輪に加工。一個3800円で売り出すという計画に、炎はボンボン燃え盛った。結局、腕輪の販売は白紙になり、そんなさなかにこの番組。みんな片手にたいまつ持って見ちゃうよね。
山林の中、巨木と向き合う西畠。「OK、OK」と木のてっぺんまで登り始める。彼を描写するナレーションはやたら「少年のような風貌」「くしゃくしゃの笑顔」「童顔」を強調。髭もじゃで全然少年感ないんだけど「いやー無邪気なハートの持ち主なんで、大目に見てくださいよー」って言い訳にしか聞こえない。