たとえば、野菜のおひたしでも、昨日がほうれん草なら今日は春菊と、茹で野菜を使いまわす。同じ焼き魚でも鮭、鯖と変えていけば、飽きることはない。さらに、気が向けば豆腐、油揚げ、卵、海藻類を加えるなど、変化をつける食材にはこと欠かない。

 ただ朝食の献立は、栄養を考えた1種類に固定する。和洋は問わない。朝は同じものでも、なぜか飽きがこないものだ。

 同じものだと、体調の定点観測ができる。今日はいつもより食がすすまない、おいしく感じない等々、微妙な変化が把握できて、健康のバロメーターにもなる。和食なら、ご飯、味噌汁(野菜の具だくさん)を基本にし、卵か納豆を加えてもいい。

 洋食なら、パン、サラダ(茹で・蒸し野菜、生野菜など)、牛乳・ヨーグルトを基本にし、これに卵かハムを加えても。和食、洋食ともに季節の果物を加えれば、無敵の朝食となる。

 より深く、家庭料理の基本について知りたい方には『丸元淑生のシステム料理学』(丸元淑生)、『一汁一菜でよいという提案』(土井善晴)の参照をお勧めしたい。

【第4条 掃除は体力維持の最後の砦】
 掃除は、老化第2段階に入ると、できなくなっていく。そこで、できるだけ長く掃除し続ける体力を維持するために、掃除を家庭内体育へと仕切り直すことをお勧めする。

 スウェーデンのカロリンスカ研究所によって、1日20分程度の中強度の運動を続けることで、長寿遺伝子のスイッチが入ることが実証されている。

 厚生労働省「身体活動のエクササイズ数表」によると、掃除で中強度の運動に匹敵するのは、床拭き、モップ・掃除機かけ、風呂掃除、庭の草むしり、家具の移動など。

 つい敬遠しがちな掃除の部類だが、散歩などの運動と組み合わせて家の中で体を動かすことをぜひ、習慣化したい。

 掃除体育は早い段階からやれば、身体機能の低下を遅らせることもできる。

 いずれ外出できなくなったときは、掃除の習慣が体力、生活の質維持の最後の砦となる。

【第5条 2階は使うな、生活は1階に集約】
 家事を習慣づける最大のコツは、住まいの動線を単純にすること。

次のページ